With you
□調査兵団は.
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そして今に至る。
来て早々掃除って…
ちょっとは休憩が欲しい、なんて口が裂けても言えるはずもなく、ため息とともにほうきを動かす。
とりあえずリヴァイ兵長に言われた場所から掃除しないと…
『はあぁ〜』
だめだ、全然楽しくない。
でも、やるからには綺麗にしたい
。
ため息を吐きながらも動かす手を止めなかった。
「マリア…だったね。どう、調査兵団は?」
背後から声がしたので振り返ってみると、彼女が立っていた。
『ペトラさん…』
ほうきを持っていて、私と目が合うとにっこり微笑んだ。
私よりも年上なんだろうけど、美人っていうよりかわいらしい。
こんな人が巨人を討伐補佐したり討伐したりするなんて想像できない。
あー、同じ女子に生まれるなら私もこんな可愛く生まれたかった。
まぁ人種が違うし金髪で生まれたかったとは言わないけど。
漆黒のこの黒髪は私も好きだし。
「ペトラでいいよ。
リヴァイ班には女子が私達だけだし、仲良くしたいな」
そう言って微笑んだペトラさんは私に歩み寄った。
やっばい、なんなの可愛すぎっ……!
私が男だったら惚れてる、絶対に。
『あ、はい……じゃぁ、ペトラ、…でいいですか?』
いきなり呼び捨てでいいなんて言われて焦ってしまう。
ぎこちないが呼び捨てをしてみた。
「うん。
あと、私には敬語もナシね」
そう言って笑った。
『え、あ……うん…』
完全にむこうのペースに流されてる。
もはや自分のペースが分からない。
「じゃぁ掃除が終わったらまた話そうね」
にこにこ笑いながら片手を振り、部屋を出ていった。
『かーわいいなぁ…』
後ろ姿を目で追いながらぽつりと呟き、再び掃除を始めた。
よく考えたら、私の回りは顔立ちの整った女子が多いと思う。
例えば、常に一緒にいたミカサ。
ミカサはthe・美人って感じ。
黒髪がすごく似合ってて…
同い年とは思えない。
つまり実年齢より大人びて見えるということ。
あと、クリスタとか。
あの子は女神だと思う。やばいね。
サシャも食意地さえ何とかすれば…
なんてしょうもないことを考えながら手を動かす。
「ほぅ…悪くない」
声がしたので一瞬で現実に引き戻された。
この声は……
『り、リヴァイ兵長…』
近くでみるとあんまり身長高くないなぁ、なんてどうでもいいことを考えていた。
私も身長はそこまで小さくもなく157pだが、リヴァイ兵長と並んでも視線が全く変わらない。
160p、というところだろうか。
無心でじーっと兵長のことを見つめていたらしい。
「何見てるんだ、削がれてぇのか」
『あ、すいませんボーッとしてました…』
おもいっきり睨まれたので思わず後退りしてしまいそうになった。
巨人に屈してしまう前にこの人に屈してしまいそうだ。
なんて冗談めいたことを考えていると
「この部屋はこれくらいでいい。次の部屋に行く。ついてこい」
そう言って部屋を後にしたので彼の背を追った。