With you
□審議は.
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「事態の沈静化を計るために、次の壁外調査でエレンが人類にとって有意義であることを証明します。
その結果で今後を判断していただきたい」
「ほう…壁外へ行くのか…」
総統の言葉のあとに沈黙が流れた。
誰が何を考えているかも全く予想すらできない。
ただ一つ言えることは、総統の中での結論はもう目の前だということ。
「……決まりだな」
総統が結論を出そうとしている。
結論は……
エレンが無事でいれるものなのか……
私はただ祈るのみ。
「エレン・イェーガーは調査兵団に託す。
しかし…次の成果次第では再びここに戻ることとなる。
そして……」
*
「イテテ!」
『こらエレンじっとしてて!』
エレンの横に座り、傷口の消毒をする。
エレンと調査兵団のエルヴィン団長、巨人の研究をしているハンジ分隊長、少し髭を生やしたミケ分隊長、思いの外小柄な人類最強の兵士のリヴァイ兵長、そして…私は審議所のある個室にいた。
窓が2つに小さなデスクと椅子、その横には引き出しとランプ、ソファといった素朴な部屋だ。
そしてなぜ私がここにいるかというと、理由は審議の時まで遡る。