With you
□審議は.
1ページ/3ページ
ざわめく反対側の方で口を開いたのは調査兵団のエルヴィン・スミス団長だ。
「エレンの“巨人の力”は不確定な要素を多分に含んでおり、その危険は常に潜んでいます。
そこでエレンが我々の管理下に置かれた暁には、その対策としてリヴァイ兵士長に行動を共にしてもらいます」
エルヴィン団長は落ち着いた口調で提案を述べた。
「彼ほど腕が立つ者なら、いざという時にも対応できます」
「ほう…」
審議所前方中央に座っていて、駐屯兵団・憲兵団・調査兵団…3つの兵団のトップ、ダリス・ザックレー総統がリヴァイ兵士長の方を見た。
「できるのか、リヴァイ?」
「殺すことに関して言えば間違いなく」
先ほどと顔色も声色も変えずに言うリヴァイ兵長。
「問題はむしろその中間が無いことにある…」
その時兵長がある方向に目をやり、静止した。
視線の先には……ミカサとアルミンがいた。
ものすごい今にも殺しにかかりそうな目をしているミカサと、彼女の肩を掴んで押さえるアルミン。
ミカサ…これは相当怒ってる…
「議論は尽くされたようだな。
ここで決めさせてもらおうか…」
総統が口を開くと誰かがそれを遮った。
「お待ちください」
ナイル師団長だ。
「エルヴィン…聞きたい。
内地の問題はどうするつもりだ!」
エルヴィン団長はナイル師団長の方を向き
「我々の壁外での活動が人類の安定から成り立っているのも理解している。
決して内地の問題を軽視してはいない」
そう返答した後、総統の方を向いた。
「そこで提案があります」