short (進撃の巨人)
□あなたの力になりたいです
1ページ/5ページ
<マリア side>
「あれ?おいアルミン、マリア見てねぇか?」
青い空が広がる広大な平地で少年がアルミンと呼ばれた金髪の少年に問いかけた。
「あぁ、マリアなら腹痛で休むって言ってたよ?」
アルミンは問いかけに答えた。
「はぁっ・・・?!ありえねぇ・・・だから訓練の時いなかったのかよ・・・」
少年は呆れたような声を出し、その場から走り去っていった。
「あ、ちょっとエレン?!お昼からの訓練は?!」
アルミンは走り去っていった少年・・・エレンに叫んだ。
「昼の訓練までには戻ってくるー!」
遠ざかっていったエレンの声が遠くから微かに聞こえた。
「おいマリア!!」
勢いよくドアが開けられた。
『おい!いくら私の部屋とはいえノックくらいしろ!』
私はベッドの上で布団の中に丸まっていたが、布団から顔だけを出し叫んだ。
「何が腹痛で訓練休むだよ!ふざけんな!」エレンは入るなり早々そう言ってきた。
『人の話無視すんじゃねぇよ!!』
私は思わず声を張り上げて突っ込んでしまった。
『いっててて・・・』
とてつもない腹痛の波が私を襲う。
「いいから昼の訓練行くぞ!」
エレンは私の発言など無視し、布団に丸まっている私の腕を引っ張り、部屋から出そうとした。
『無理に決まってんでしょ!バカエレン!
腹痛だって言ってんじゃん!人の話聞いてた?!
こんなんで訓練しても怪我に繋がるだけ!』
私は布団から出ようとはしなかった。
「あーもー早く行くぞ!」
エレンは布団をバッと私から奪い、床に投げ捨てた。
『もー!言わなくちゃ分かんないの?!
私今日ガールズデーなんだけど!』
呆れた私はエレンにそう言った。
「は?ガールズデー?」
エレンは頭の上にクエスチョンマークを浮かべた。
こいつは馬鹿なのか、それともただ単に純粋なだけなのか、私には分からなかった。
『女の子は月一で大変なの!ここまで言って分かんないか?!うぇっ・・・いったい・・・』
私は呆れながらも説明した。一体なに言ってんだか。
するとエレンは数秒考えこんだ後、何かを察したのか、急に顔をを赤らめた。
「あ、悪ぃっ・・・その・・・あの・・・」顔を真っ赤にして、目線が下を向いている。
エレンは何を言いたいのか分からないが、とりあえず焦っているのは一目瞭然だ。
顔を真っ赤にして焦っているエレンはすごく可愛いな、なんて考えてると
「なんかオレにできることねぇかなっ・・・?」
とエレンが口を開いた。
考えこんで必死になって出した答えなんだろう。
『んー・・・あ、じゃぁミカサでもサシャでも誰でもいいから、痛みどめの薬もらってきてくれない?今切らしちゃっててさ。
いつもなら痛みどめ飲んで訓練してるんだけど、切らしちゃってんの忘れててさ・・・』
切らしてることわ忘れてた私が悪いのだが、ここはエレンの好意にすがろう。
「わ、わかった!もらって来たらいいんだな?」
そう言ってエレンは勢いよく部屋を出ていった。
・・・頼んだのはいいものの、ちゃんともらってくるのかな?
そんな心配が脳裏をよぎった。