short (進撃の巨人)

□あなたの力になりたいです
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「せ・・・せい・・・」

言葉がつまる。さらっと言えたら苦労しないだろうに。

自分が情けなくなる。

「せい?生理痛の薬かな?」

クリスタはオレに問いかけた。

「そう!それだ!!」

オレは勢いよく言った。

「でも・・・エレンは女の子じゃないから意味ないんじゃないかな?」

クリスタに痛いところをつかれた。

「あ、えっと、その・・・」

言葉が出てこない。くそ、どうしたらいいんだ・・・

するとクリスタはクスッと小さく笑った。

「ど、どうしたんだよ?」

オレはクリスタに問いかけた。

「ご、ごめん・・・生理痛の薬、マリアに持っていくんだよね?

分かっててエレンをいじめちゃった・・・」

・・・あれ、オレの知っているクリスタは・・・女神クリスタ様は人をいじるような性格だっただろうか?

って、なんでマリアの所に持っていくこと、知ってんだ・・・?

「どうしてそれを・・・?」

気がついたときには、既にクリスタに質問した後だった。

「どうしてって言われても・・・女の勘かな?

エレン、マリアと付き合ってるんでしょ?」

クリスタはオレの問いに答えてすぐ、オレに聞いてきた。

「あ、あぁ・・・

っていうかこの話、皆知ってんのか?!」

皆に言ってないはずなのに、クリスタは知っていた。

どうしてだ?

「あ、みんなは知らないよ?!

付き合ってるって思ったのも私の勘だから・・・!

私の勘、なかなか当たるんだよ?

・・・って、こんなことしている場合じゃないよね?!はい!これ!」

クリスタはオレに薬を押し付け、続けた。

「マリアに急いで持って行ってあげて!

1回2錠だから!2錠だよ!マリアによろしくね!」

そう言ってクリスタは薬の説明をするとそそくさと去っていった。



オレはしばらく呆然と立ったままだったが、自分の今、しなければならないことを思い出した。

―・・・早くマリアの所へ行かねぇと



オレはもと来た道を帰って行った。
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