僕はオトコに生まれたかった。

□拍手LOG。
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君を見つけ出せるまで。



 君が見つからない。

 異国の文字をどれだけ追っても、欠片すら見つからない。

 ――どうして見つからないんだ!

 なんて嘆けば、君がこの世にいないことを肯定してしまうようで。

 ただ、唇を噛んだ。

 いっそ。

 いっそ。

 いっそ、すべてを――、

「何も捨てられない!!」

 ならばせめてどうか。

 せめてどうか、思い出だけは心の奥で閉じていて。

 幸福な思い出が、壊してしまわぬように。

 幸福な思い出を、壊してしまわぬように。

 幸福な思い出に、壊れてしまわぬように。

 君を見つけ出せる、その日まで。 



 〜幕〜


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