僕はオトコに生まれたかった。

□拍手LOG。
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宵闇に添う一時(ひととき)の永遠を。



 時間さえ密やかに刻まれる空間。月光に包まれているかのような儚い笑みがあまりにも愛しくて、夢現のまま視線で語った。

 男は僅かに瞠目してから、溜息の替わりに眉を八の字にし、諦めたように瞳を和らげた。

 そのときの俺の胸の奮えは、どんな言葉を用いても説明できないだろう。

 手を伸ばし淡く光る男の頬を撫で、身体を起こして腕の中に閉じ込める。

 後にも先にも、これっきり。

 恋人として、抱きしめた。

 好きだ。

 愛してる。

 堕ちてくれ。

 それを告げるにはあまりに静かすぎて、腕に力を入れることで想いに代える。

 呼応するように強くなった背中に回された掌の感触が嬉しくて、月影に隠れてひっそりと泣いた。



 これから終わりが始まるけれど、時限が決まっているわけでなし。

 どうかこの一時(ひととき)を、永遠に。




*End*





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