僕はオトコに生まれたかった。
□拍手LOG。
19ページ/27ページ
愛しているとか好きだとか。
Side-R-
ただ視線が絡み合っただけだった。
まだだ、
けれど、
強く、
互いに声は発していないのに、確かに聞こえた言の葉が彼を揺さぶる。
まだ彼には覚悟ができていない。
寄り添うように育ってきた自分たち。相手の気持ちはすでに知っていたけれど、素知らぬふりをし続けた。
確認すれば、確信すれば、終わりが始まるであろうことが明確だったから。
もう自分は腹を括った。
あとは彼を待つだけだ。
だから、いくらでも待とう。
お前が俺を、堕とす覚悟ができるまで。
「おかわりは?」
その揺らぎに気づかぬふりをして。
「俺のはまだ入ってる」
お前を待とう。
いくらでも、待とう。
もう一度、視線が囁くそのときまで。
*End*
Side-A-
or
過去ログ。