僕はオトコに生まれたかった。
□拍手LOG。
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日常会話≪嘘≫
※同性愛要素強
※妊娠ネタ
〜ライリ編〜
「アルト……聞いてくれ。大事な話があるんだ」
「なに? そんな深刻な顔して。歯でも痛いの?」
「……俺、妊娠した」
「へぇ……誰の子?」
「……えっと」
「男の子? 女の子?」
「……おと……女かな?」
「おめでとう。よかったね」
「おい……もっと他に言うことないのか?」
「ああ、ごめんね。君にとってもっとタメになることを言えばよかったね」
「え……?」
「くだらないことほざいてないで、さっさと課題終わらせろ」
「……ハイ」
――そう言ったアルト君は、とてつもなく素敵な笑顔でした。By ライリ
終
〜アルト編〜
「……ライリ、僕、君に言わなくちゃいけないことがある」
「なんだよアルト、そんな改まって」
「僕、実は、妊娠したんだ」
「……え。え? え!?」
「ごめんね」
「だだだ、誰の子だよ!?」
「隣町の」
「言うな! やめろ! 大丈夫、心配するな」
「え?」
「とりあえず子供は俺たちで育てよう! 相手とは別れろ。一晩の過ちとかそんなの許してやるから、な?」
「いや、あの」
「名前はどうする? その前に女なのか男なのか?」
「えっと」
「いや、生まれるまで楽しみにしておこう! あ! そうだ、体は大丈夫か!?」
「……ライリ」
「なんだ!? なにかほしいものでも……ぶッ!!」
「……ごめんね、僕は君を買いかぶっていたみたいだ。君がもう少し賢ければ、殴らずにすんだんだけど」
「……あれ、アルト、子供……」
「おはよう、ライリ。いい夢見れた?」
「夢……? 夢か、夢なのか……」
「怖い夢でも見た?」
「……いや、ちょっと残念だった気もするけど、夢でホッとした。お前に嘘でもそんな相手ができたなんて、思いたくもないからな」
僕は嘘をついたことに少しだけ後悔して、そして少しだけ嘘をついてよかったと思った。
終
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