短編集
□夢だよね?
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琵管曖は個性とヒーロー免許を持っているが、普通のサラリーマンをしていた。
「誤字脱字修正しといたから直しておいてね」
『ありがとうございます』
個性はドラゴンだが、こうしてサラリーマンをしているとあまり関係もない。
机に戻り、修正箇所を直し、他の業務をしていたら曖の勤務時間はあっと言う間に終わってしまった。
疲れてトボトボと歩いて帰る道中にいきなり後ろが爆発した。
『え』
目の前にはヴィランがいて、曖は目の前がいきなり真っ暗になった。
曖が気がつくと、そこには数人囚われている人たちがいた。
ヴィランは電話でなにやらヒーローとやり取りをしていた。
「身代金を用意しろ。でなければこいつらを爆破させる」
男一人だった。
曖は手に力を入れたらいとも簡単に縄が千切れてしまった。
「え、は?」
ブチブチと縄が千切れてハラハラと落ちる光景を見て男は尻もちをついてしまった。
「おま、さっきまで、小さかったよな?え、はぁ?」
ヴィランの男は曖の身体を見て震え上がってしまった。
『人の個性を見て怖じ気つくとはそれでもヴィランです?』
曖が個性が発動しているのを見て怯えているヴィランに少し不機嫌に尻尾を振ったら簡単に床のコンクリートが割れた。
ムキムキと背中の羽も出てきてしまった。
『あーあ、貴方のせいですからね。ワイシャツ代どうしてくれるんですか?』
曖は思い切りドラゴンの羽を羽ばたかせた。
「まて、待って、俺個性が無いんだっ」
『そんなの知りません!』
曖は思い切り男を尻尾で殴ると、男ごと壁をぶち破り外に落下させた。
『全く失礼な男だった』
曖は囚われていた人のロープを千切り、近くに置いてあった自分の荷物を持って帰宅しようとした。
「待ってください。こちらヒーローです。保護対象になっているので待って頂けませんか?」
そこには曖がそこそこ好きなヒーローのホークスが居た。
『はー、面倒なことに巻き込まれたわ』
しかし口から出たのはファンなんです!では無かった。
早く帰宅しないと明日の朝に響く。
現実的な考えの方が優先されてしまった。
「すみません。仕事なもんで」
そんなことを思ってるとホークスが謝っていた。
曖は悶々と考え事をしながら渋々と彼らについていった。