短編集

□唇を噛む癖
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琵管曖は昔から唇を噛む癖があった。


嫉妬や集中してる時はかなり噛んでいるらしい。


(あ、また噛んでる)


気づいたときには噛み千切れそうなほど噛んでいる。


(まあいいか、別に私に伴侶はいないし)


曖はデスクワークをしながら思った。


ソレスタルビーイングのガンダム出現により、編隊移動になった曖は激しく入れ替わる部下の名前を覚えるのが大変になった。


『はぁ、全くソレスタルビーイングも良い仕事してくれちゃって』


また曖は唇を噛んだ。


『ユニオンもこんなに編隊移動が激しくなるなんて宇宙進出以来だわ』


曖はデスクワークを放棄して、部下のプロフィールを見始めた。


『駄目だ、全部似たり寄ったりで全然顔覚えられないし、日本に帰りたい・・・』


曖は日本のユニオン基地にいたが、ソレスタルビーイングの武力介入により、ユニオン本部に戻された。


『私以外も優秀な司令官はわんさかいたでしょうに』


曖に自覚はないが、彼女は司令官およびパイロットの能力があるので周りから持て囃されている。


それでも彼女の独りごちは止まらないのであった。


 
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