短編集
□dream
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『独り』
ぽつりと 罪七 アイは呟いた。
『寂しい一匹の小鳥』
東郷リクヤの背中を アイはリクヤから二番目の席から見ている。
『そのボロボロの翼で頑張って飛び立とうとしている夢見る小鳥』
アイはその背中が小さく見える。
『だから夢を見て。私の世界で』
朝比奈コウタが アイの呟きに気付いたのか、チラリとこちらを見た。
「ではアイさん。ここを答えてください」
先生に指名される。
『はい。ここでは〜・・・』
アイは最後に席に座るとき呟いた。
『あなたの側に私はいる。あなたはとっくに私の心を掴んでいるわ。だけど、私はもうあなたにちかずけないだけだから』
アイはフワリと微笑んだ。