ダンボール戦機
□待っている
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【ファーストフェイスクリア。セカンドフェイスクリア。サードフェイスクリア】
スミレはセキュリティーの掌握に入っていた。
『・・・』
目を閉じて集中する。
【セブンフェイスクリア。エイトフェイス・・・】
先に行くにつれて複雑なセキュリティーになるが、どこも異常はない。
(おかしい・・・私がいるのに海道はなにもしてこないなんて・・・)
スミレはセキュリティーを全掌握した時に感じた。
「どうだ?なにかあったか?」
『いいえ。気持ち悪い程になにもなかったです』
「そうか」
拓也は複雑な表情のままでいる。
『私も参戦してきます』
「待ってくれ」
拓也はスミレを引き止めた。
『なんですか?拓也さん』
「・・・いや、なんでもない。行ってくれ」
『拓也さん・・・私はここに残ります』
不安そうな拓也の手の震えを感じてスミレは彼の手を抱きしめる。
「・・・・・・ありがとう。気遣ってくれたのか?」
『はい。最近私も拓也さん達と共に闘えなくなりましたから』
スミレは拓也の胸にうずくまる。
『あったかい・・・私も不安です。檜山さんもいなくなって・・・里奈さんまでも・・・あの日々は仮初めでも私は幸せでした・・・』
「スミレ・・・」
『たとえ、皆違えどもどこかしらで幸せを感じていたはずです。私は取り戻したいです。皆さんの平穏な日々を』
スミレは拓也を見上げる。
「俺も取り戻したいと思う。闘おうスミレ」
二人は強く抱きしめあった。