ダンボール戦機
□アングラビシダス
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「山野博士を救い出すにはアングラビシダスに出場してもらう」
拓也の説明が始まる。
『・・・』
スミレはその間、ずっと俯いていた。
(私の心・・・ではこの胸の痛さはなにを表しているのだろうか)
荒木博士を思えば、悲しみに襲われ、拓也を思えば、胸が苦しくなったり、安らぐことも出来る。
(この感情は知らない・・・分からない・・・)
スミレはギュッと手を握り締める。
その時、バン達がアングラビシダスの会場である、bluecatsの地下に入っていった。
『・・・私はどうしたらいいのだろうか』
スミレが呟くと、檜山が答えてくれた。
「それなら、バン達と同じくLBXを始めないか・・・?」
『え・・・?』
檜山はサングラスの奥で野獣のような瞳を光らせる。
「 スミレがよければ俺が指導する。どうだ?やってみないか?」
『LBXは私には必要ありません。今の私の戦闘プログラムで十分自分の身を守れます』
檜山はニヤリと口角をあげる。
「 スミレが今分からない感情も分かるようになるかもしれないぞ・・・?」
『・・・マスターに許可を取ってからにします。それまで待って下さい』
檜山は胸の奥で燃え上がるなにかを感じた。