ダンボール戦機
□デスパレード
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「 スミレ いま戻った・・・」
檜山がbluecatsの入り口の扉を思い切り開けると、 スミレがカウンターで肘をついて何か考え事に老けていた。
檜山は スミレの後ろ姿が店のライトにあまねく スミレが照らされたその姿が素直に美しいと感じ、息を呑んだ。
「美しい・・・」
檜山はこの世界になぜ、こんなにも美しい彼がいるのか。
これでは世界を破滅させる意味がなくなってしまう。
だが、その瞬間うっかり扉から手を離してしまい、バタンと大きな音を立てた。
スミレの肩が跳ね上がる。
『ひゃ!?だ、だ、誰ですか!?もー!!びっくりしましたよ!!』
ゆっくりと スミレは此方を向く。
(嗚呼、美しい・・・)
檜山は心の中で留めた。
彼が拓也の使いじゃなく、自分だったら間違いなく世界の破滅は望まなかっただろう。
『ひ、檜山さん!!驚かせないで下さい!!』
「悪かった。だが俺は珈琲豆の注文をいれていたんだ。許してくれ」
ぎゃいぎゃい騒ぐ スミレを檜山は拓也が来るまで宥めていた。