ダンボール戦機
□物語のプロローグ
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七星 スミレを目覚めさせて何年たっただろうか。
彼のバグは修正しないまま、なにも分からないままだ。
そして、彼は昔に比べ表情が豊かになった。
『にゃー・・・』
今、bluecatsに入り浸り檜山の膝の上でゴロゴロしている。
「檜山もすっかり懐かれたな」
スミレは拓也の親族には直ぐに好意を示したが、社員には殺意をむき出しだった。
そんな中、檜山にだけは好意を示したのだった。
『檜山しゃん優しいですも〜ん』
「ハハッ スミレ は嬉しいことを言ってくれる」
檜山が スミレの頭をグリグリ撫でる。
『ふにゃ〜ん』
スミレは気持ちよさそうに膝にすりすり頬を擦り付ける。
『檜山しゃんは・・・すー、すー』
「・・・寝てしまったな」
檜山は残念そうに スミレを撫でる。
「・・・結局、彼の過去は何年経っても戻らないまま、俺達のごたごたに巻きこんでしまうのか」
拓也ははぁっと溜め息をつく。
「・・・そうだな」
だが、檜山に興味を示した時からプロローグは始まっていたことを二人はその時まで知らない。