BLEACH
□HAPPY END
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菜種は6番隊で責務を果たしていた数カ月後、山本総隊長に呼び出された。
『ご無沙汰しております。山本総隊長殿』
「ふむ。相変わらずだな。菜種」
『今回のご用件はなんでしょうか?』
「えっとだな、その、なんというか、ううん」
菜種は山本総隊長が何故か言葉に詰まっているので、首をかしげていると、浮竹も遅れてやってきた。
「山本総隊長。呼び出しとはなにか重大なご用件かな?あれ?菜種も来ていたのかい?」
『はい。呼ばれて来てみたのですが、総隊長殿がなにか言いづらそうにしているので、誰かに助けを求めたかったところです』
「えっとじゃな、えっと、ううん」
「ああ、それなら私との結婚の話じゃないか?もしかして山本先生はマイペースすぎる私に痺れを切らしたのかもしれない」
『どういう事ですか?』
菜種が首をかしげると、浮竹が説明してくれる。
「本当は山本先生の口から話してほしい案件なんだけど、実は君が開放されたのには彼の任命があってからこそだったんだよ」
『あえ!?ええーーーーーーーーーー!?』
一番隊宿舎に菜種の声が響き渡る。
「驚くのも無理はない。優秀すぎるが故に罪を着せられても、優しさで自分の罪を受入れてしまう菜種の優しさに先生も心を痛めていてね。だから気の許せる僕と京楽に結婚して子供を残して一番隊を任せたいと言い出してね」
「些かこの先の未来が不安でだ」
『それは本当に山本師匠からのお言葉で聞きたかった事実です。それならそうと言ってくださればお二人のどちらの子も孕んでみせましたわ!』
「それが言い出せなかったひとつなんじゃが」
山本総隊長は髭を撫でた。