BLEACH

□着任
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八番隊に現隊復帰は無理かもしれないと京楽に言われ、失意の翌日に阿散井恋次は四番隊宿舎にいる菜種の元に訪れた。

「よ、元気かって・・・元気そうでは無いな」

瞼は赤く腫れ、御飯にも手をつけていなかった。

『・・・守るべき恩身に現実を突きつけられた無様な姿を笑いにきたのね。不愉快だわ』

「待て待て待て。どうしてそんな事になるのか教えろ」

頭を抑える恋次に菜種は重い口を開ける。

『なんで知らないのか分からないのだれど教えてあげる。京楽隊長から八番隊に現隊復帰は不可能かも知れないと言われただけよ。無様な事でしょう?守りたい人の側に居れずどう生きる希望が見つかるのか貴方には決して分からないでしょうね』

思わず長い溜め息も出た。

「それなんだが菜種。六番隊の三席として復帰の命が出た事を知らせにきたんだ」

『は?』

思わず無防備な恋次に鬼道を込めた腹パンを食らわす。

「ゴハァ!?」

『私は汚名をすすぐために八番隊に戻らないと意味がないの』

ただ腹を抑える恋次に怒りが納まらないため、また鬼道を組み込んだ足蹴を顎に食らわした。

『これ以上腹立たしいのは勘弁だわ。死になさい』

「待て待て。こんなとこから出ないからそうなってるんだ。とりあえず出掛けよう」

『死ね』

菜種は思いきり恋次を扉ごと蹴り飛ばし、扉を締めた。

『もっと腹の虫の居どころが悪い相手の機嫌取りが上手くなってから来なさい。どこの馬の骨か知らないけれども、恥知らずの阿散井恋次』

きっと今の衝撃であばら骨が折れたのか砕けたのか扉の外で悲鳴をあげる恋次にそう告げた。

 
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