BLEACH
□お見舞いの来訪者達
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柿本菜種は元の生活が送れるほど回復していた。
『七緒さんいつもありがとうございます』
今日も京楽の変わりのお見舞いに副隊長の七緒が来ていた。
「いえ、見舞いに行かないと隊長が五月蝿いんですよ。気を使わせてしまって申し訳ないです」
七緒がお辞儀をする。
『ええ!?お辞儀なんてとんでもない・・・』
「いえ、早く柿本さんが八番隊に復帰してくださればと隊長も言っていますし、私の意見ですが私よりも柿本さんの方が副隊長の座に相応しいと思います」
『え・・・私が・・・?』
七緒の真剣な表情に菜種は戸惑う。
「ああ、もうこんな時間です。次の任務に向かうのでこれで。これは隊長からの見舞いの品です」
見舞いの品の袋を七緒は手渡すとスタスタと病室を後にして行った。
『これ・・・』
かさりと袋を開けると鯛焼きが入っていた。
『あ・・・』
ほぼ毎日京楽から鯛焼きの見舞いの品が来ていたがそういえば京楽に八番隊に入った頃、就任祝いで何が好きか言われ、高いものは気が引けると考え、鯛焼きを奢って貰ったのだと思い出した。
『あの頃は皆生きていて・・・皆で鯛焼き食べたっけ・・・』
隊員とすぐに打ち解け、鯛焼きを頬張っていた頃を思い出して笑いながら泣いてしまった。
『皆に会いたいなぁ・・・早く死にたい・・・』
菜種は布団の敷布を握り締め、落ちた涙を見ていた。