ドラゴノーツ
□HappyBirthday
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「わあ!思ってたのよりケーキのデコレーション凝っていて凄い。メロは頑張り屋さんだね」
ライナもテーブルに来る。
『そう言って貰えると嬉しい』
メロは頬を赤くしながらケーキを切ろうと包丁を取った。
「ねえメロ。僕たちは婚姻は結んだけど結婚式ってまだしてないよね」
『うん』
「今結婚式もどきをやろうか」
ライナもメロのそばに来て、メロの包丁を握っている手に手を添えた。
「初めての共同作業ってテイでやるんだけど」
『ライナ、それくらいは私も知ってる』
二人でケーキに入刀した。
しばらく二人で見つめ合い、微笑み合った。
手際よくケーキを小皿に盛り付け、二人は席に着いた。
『色々あったね。段階すっ飛ばしてここまで来たけど結局今もバタバタ。キタジマ博士とノザキ教授の引き継ぎが大変で』
「メロが頭脳明晰だとは以外だったけど、ノザキ教授の後継人としては素晴しい仕事をしてるよ」
『む。ライナは私のこと頭悪いって思ってたの?』
「失礼だけど、僕は最初の純粋無垢なメロのイメージのままだ。少し抜けてるくらいが可愛らしいかったのにと思っただけだよ」
ライナは愛想笑いをする。
『ライナとレゾナンスした時、ライナの記憶が強く作用したのは頭脳明晰、冷静沈着、客観視する所だったから元からだよ。恋愛感情が欠損してたからってライナは酷いな』
「すまない。メロ」
『なんだか今のライナは少し出会った頃よりも私のこと下に見てるのが分かる』
「う···」
ライナは痛い所を突かれたのか、押黙る。
『もう少し頼りにしてよ』
「そうだね」
『ライナが私のことを守るように私もライナの事を守りたいの。そのくらいは強くありたい』
窓の日差しを受けながらメロはライナを見つめて話す。
その光のヴェールに包まれた美しさにライナは永遠を感じる一瞬に見蕩れていた。