ドラゴノーツ
□息子の恋の行方
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タナトス事件から数ヵ月たった。
あれからドラゴンの事が機密事項ではなく、全面的に世界に拡散され、事態はやっと収縮された。
『ライナ、ハウリングスター。なんか久々だね』
三人は再建した寮で休暇を過ごしていた。
「そうだな。のんびり出来るのも久々だ。俺と相棒は色んな取材とか報道に引っ張りだこで休む暇も与えられずにいたからな」
ハウリングスターがソファーにもたれかかりながら話す。
「本当に。でも事態は収縮して、ドラゴノーツも復権し、次なる地球の危機に備える形で地球産ドラゴンの誕生が催促されるなんて、嫌われものから一気に持ち上げられて、ドラゴノーツの部署自体、まだまだ忙しいよ」
ライナは資料を見ながらコーヒーを飲んで苦笑する。
『新しいパイロット候補生好きじゃない』
メロは膨れた。
メロはドラゴンでありながらパイロット訓練を受け、ハウリングスターなどのドラゴンは普通に乗りこなせるようになった。
「例えばどんなふうに?」
『なんか視線がオヤジ臭い。キモい。嫌だ』
メロはライナの質問に答えるとハウリングスターに抱き付く。
「そりゃあ仕方ないだろ。相棒の理想の女の形なんだからさ」
「それにメロは今は亡きノザキ教授の後継人だ。後を狙う輩も多いさ」
『むう!』
メロは思いきり頬を膨らませた。