ドラゴノーツ
□現実
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「ハウリングスター、どいうことだ?」
「同じドラゴンだから分かる。これは産卵が近いんだ。メロはコミュニケーターのまま出産の準備を体でしてるんだよ」
ハウリングスターはメロを自分の膝に乗せる。
「しかも、ライナ。お前との人間とのハーフのドラゴンだ。コミュニケーターは人間の遺伝子を直接取り込んでやがる。ドラゴン時のエネルギーは計り知れない」
「これがもし上層部に漏れたら利用される。そうなることは避けたい」
二人は頷いた。
「幸いメロはレーダー感知できるほどの固有端数にひどく乱れがある。ライナ。ここを葉っぱで覆い隠していればばれねぇよ」
「そうか。じゃあ塞ぐか」
外の奥の方がバタバタと騒がしくなる。
二人は落ち葉などで入り口を塞いだ。
そして、囮になるため、二人は息を合わせて投降した。
「グラウドは?」
サカキはライナにそう訪ねた。
「彼女はここには居ません。彼女は月に行きました」
「ふん・・・忌々しいドラゴンめ」
サカキはカズキとウィドーに後は任せ、その場を去った。
「お父さん」
「なんだ」
「なんでもない」
娘にそっけない態度を取り、ヘリに二人は乗り込んだ。