ドラゴノーツ
□寒い
2ページ/6ページ
メロはなんだか訳のわからないままジンの元へ連行される。
通信機は戦闘中に無くしてしまい、指示を仰げないままだった。
「あれ?君は」
『カミシナ・ジン』
メロは小脇に抱えられたまま会話をする。
「とりあえずギオその子を下ろしてくれ」
「分かった」
メロはやっとギオから解放された。
「それでメロ、お前は味方なのか敵なのか」
ギオがメロに選択を迫る。
『とりあえず、トアに会わないと意味が無いわ』
「ジン」
「わからないんだ。トアの歌声が聞こえたのは月からなんだけど」
メロは耳を澄ます。
悲しいトアの歌声が響き渡っている。
『こっち』
メロは小雨が振りだした道をジンとギオを連れて歩き出した。
「あんたにもトアの歌声が聞こえるのか?」
『そうだけど。私はメロ。貴女があんたとか呼ぶなら私はトアの事をアルブムと呼ぶわ』
メロはジンに軽蔑の眼差しを送る。
「ごめんメロ。巻き込まれたのは俺のせいだ」
『早く私はライナのとこへ帰りたいの』
メロは歩く速度をあげた。