ドラゴノーツ
□ドラゴノーツ
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メロは暗い気分の中ISDAのサカキの元へライナ同伴の元連れて行かれた。
サカキは威圧感のある瞳でメロを見下ろしていた。
その威圧感から逃れるようにメロはうつむく。
「今回は情報漏れもない。よってグラウドに私から下す処分はない。以上だ」
「では今後のグラウドの扱いは?」
メロの肩がびくりと跳ねた。
「キタジマ博士が興味を示さない以上放置しておくのは危険だ」
『・・・』
メロはきつく唇を噛み締めた。
「よってドラゴノーツに加わって貰う」
サカキの提案にライナとメロは驚いた。
『待って・・・待って下さい・・・私を殺してください・・・私は・・・』
メロの声は震えていた。
『マザーに捨てられて・・・生きている価値は私には無いの・・・無いの・・・』
メロはタナトスに捨てられた事を思い出してまた泣いた。
「生憎君の価値はISDAから見て必要だと言っている。これ以上私を困らせないでくれ」
サカキは頭を抱えた。
『・・・』
「上司からも君の廃棄は命じられていない。私が私欲で君を処分したら大事に至る。分かってくれメロ」
サカキは子供をあやすようにメロに問いかけるが、メロは黙ったままその場を動かなかった。
『・・・』
「・・・」
二人の無言のやりとりが続いた。
「とりあえずグラウド、現状に身を任せてくれないか?」
ライナが視線をチラチラと送ってくるサカキに助け舟を出した。
『でも・・・私は・・・私の価値は・・・!!』
メロは物凄いスピードでその場から逃げ出した。
「・・・やれやれ」
ライナは罰を求める愛しいドラゴンに少々今回ばかりは溜め息を漏らした。