ゾイドジェネシス

□襲撃
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『はぁ・・・』


真矢はゴツゴツした岩に座り込んだ。


さっきのロンの言葉が頭の中でこだましている。


『・・・なんなのよ一体!庇ってくれたり、一緒にこようとか!干渉したくないって言ってるでしょうが!!!!』


真矢はウガーっと言う感じで向こうに吠える。


『・・・早く帰りたい』


「おい。そこのお前」


後ろにはディガルドの真矢の個人的にダサいスーツを着たモブがそこにいた。


『な、な、なんすか・・・?』


「この山にあるアジトの人間か?」


モブは銃口を此方に向けながら聞いてくる。


『んな訳ないでしょう。第一アジトって何ですか?私、迷子なの。ここに私の父の墓があるの・・・そう、それは不幸な事故だった・・・』


真矢は咄嗟に思いついた嘘の設定を語り出す。


あまりの真矢の演技振りに思わずモブも銃を下ろした。


『父はここを買い取り開拓を始めました。私と母も三人で住めると喜んで開拓の手伝いをしていました・・・ですが、ある日いつものようにテントを張って休んでいたんです。父が見張りについているとき、獣に気づいて散弾銃を発砲したんです・・・ですが・・・』


モブはいつの間にか、感情移入したのか、瞳を潤ませていた。


『獣は群れをなしていました。父は群れに気づいて独り危害のないところへ行き襲われ、翌日亡き人になっていました・・・私と母はこの山を開拓する気も失せ、もといた母の実家に引きこもるようになり、母は何時の日か病気になりました・・・母は息を引き取り、私はこの山と共に二人に置き去りになったんです・・・』


モブは真矢が話し終わると盛大に泣き崩れていた。


「うぅ・・・お嬢ちゃん・・・辛かったなぁ!!!!」


モブのおじさんは、真矢の肩を掴んだ。


「お兄さんがその悲しみを癒してあげるよ・・・」


気づくと、そのおじさんははぁはぁと、息を荒くし、頬を赤く染め上げていた。


その気持ち悪さに真矢は後ずさりする。


『いいです!!!!いらないです!!!!』


真矢は必死におじさんを押し返す。


「照れなくてもいいんだよ。悲しい心を僕が埋めてあげるからさぁ!!!!よく見たら君、美人なんだもん!!!!はぁはぁ・・・」


モブおじさんは真矢を押し倒そうとする。


『いや!!!!』


「大人しくしろよ!!!!」


モブは真矢の顔を容赦なく殴る。


『いや!!!!いや!!!!放して!!!!』


真矢はそれでも抵抗を続ける。


すると、足音が聞こえてくる。


(誰よ・・・)


モブおじさんは真矢を襲うことで頭がいっぱいで聞こえてないが、真矢は増援ではないかと、冷や汗がさらに吹き出る。


はっきり見える位置まできて、初めてロンだと分かる。


「おもしろそうだね。僕も混ぜてよ」


ロンの瞳はレンズが光って見えなかった。


「なんだ。兄ちゃん混ざるか?」


「嗚呼。君を殺した後でね」


ロンは躊躇いもなく、銃口を男の頭に向けぶち抜いた。


真矢の服に血飛沫が大量につく。


『ろ、ろん・・・?』


「・・・帰るよ」


ロンは真矢を引っ張り上げる。


レンズはやっぱり光っていて瞳は見えなかった。


『あの・・・私服の汚れ落としたい・・・です・・・』


真矢の言葉にロンは頷いてくれた。


 
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