テイルズ
□サクヤ
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しばらく進んでいくと、先ほどと同じような壁画が出てきた。
『・・・』
エミリーは少し頭痛がした。
何かを思い出すようなちくりとした甘い頭痛が。
『・・・っ』
エミリーは思わず頭を抑えた。
(儂の記憶は上書き保存の筈・・・っそれなのに、なんじゃこの頭痛は・・・)
エミリーは少しずつ波紋を立てて大きくなる甘い痛みに、両手で頭を抑える。
その様子に気づいたのか、リカルドがエミリーの肩を掴む。
「大丈夫か・・・?」
心配そうな表情のリカルドに頭痛が更に広がる。
思わずエミリーはリカルドの手をはたき落とす。
当たりに渇いた音が響いた。
『・・・っ少し具合が悪いだけじゃ!!儂にしばらく触れないでくれ』
「そうか・・・すまなかった」
エミリーは頭を抑えながら身体を引きずるように前に進んだ。