テイルズ
□アシハラ
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(アシハラ・・・か・・・何時以来かな・・・)
エミリーは一人思い出に老けていた。
(私がまだ9歳の頃はまだ栄えていて国を失った私を姫として扱ってくれたっけ?父親似で良かったのか悪かったのか・・・そのときはマスターのお使いで来ていた・・・懐かしいな・・・)
エミリーはその時、初めて自分が亡命の王女だと知った。
(そのときはマスターがいなかったから、何とか隠せたわね・・・あの時ばれたらマスターは間違いなく私を何処かに保護させていたわ・・・)
エミリーは身震いする。
(保護先で私はどうなっていたのか、想像するだけで吐き気がする・・・)
「どうしたの?エミリーさん。顔が青いよ?船酔い?」
エミリーの異変に気づいたルカが気にかけてくる。
『何でもない。それより、貴様等の雑談は終わったか?』
「うん。街を見て回ろうって」
『楽しみじゃの。さて行こうか』
エミリーは陥没していく同盟国を見ながら、大地を踏みしめた。