テイルズ
□別れ
1ページ/2ページ
『・・・ヒュプノス』
エミリーは重々しくその名を呟く。
「ラファエル・・・」
彼もまた重々しく名を口にする。
「ヒュプノスとラファエルって・・・」
ルカが唖然とする。
『はぁ・・・ヒュプノス。なんじゃ。貴様はやっぱり戦場が好きか』
エミリーの喋り方に彼はまた驚いた表情をする。
「貴様も老婆の口調は相変わらずだな」
彼は笑った。
『まぁ、なんせ老婆じゃからの。現世の名前はエミリー・スフニャート。とりあえずよろしくのぉ・・・』
「これは、丁寧に紹介どうもだ。こっちはリカルド・ソルダート。しかしあの魔女老婆と恐れられていたスフニャートがそのままラファエルの転生者だとはな・・・」
『そのあだなは勝手に新聞記者がつけたのじゃ。全く・・・見た目も老婆だというのに』
エミリーは、やれやれと首を振る。
「一緒に来ないか?スフニャート」
『悩むとこらじゃのぉ・・・老婆を困らせるとは困った若僧じゃ』
「などと緊迫した状況に登場する俺」
後ろにハスタがいた。
「やあやあ、これはこれは一目惚れのエミリーさんではないですか!!」
『やあ。ご無沙汰しておる』
エミリーが返事を返すと、嬉しそうにハスタは槍を向けてくる。
「あのとき逃げられて焦ってその場にきた歩兵を皆殺しにしちゃったりゅん★」
『それは困ったのぉ・・・』
「なので戦場を取りあえず駆け巡り、皆殺しにしてさしあげましたとさ」
ハスタの答えにリカルドは眉をひそめる。
「傭兵の面汚しめ・・・」
『リカルド。儂は今決めた。貴様について行く』
エミリーの答えにリカルドは頷く。
「今度こそは死ぬ間際まで貴女の側にいると誓う」
エミリーは手の甲にキスをされる。
『老婆を口説いて何する気じゃ。なんも出さぬぞ』
「待ってよ!エミリーさん!」
ルカが止めにかかる。
『ハスタは強敵じゃ。お前等を守るためにこやつについていくだけじゃ』
エミリーの答えにルカ達は安堵したようだ。
『行くのじゃ。今度出会うときは敵陣であうことになる。安心せい。その時は手を抜いてやるか痛む間もなく殺してやる』
「ありがとう!エミリーさん!」
ルカ達はその場を離脱した。
『さて。ハスタ?Let's dancingとやらいってみようかの?』
「ヘイ・メン。この展開を期待していたんだぜ。ベイビー。今度は逃がさない。俺のmyhoney・・・」
「待て。俺もいるぞ」
リカルドの問いかけを無視して二人は戦闘に入った。