テイルズ
□道中
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『ここの道を越えるとナーオスへ行ける』
「へ〜。あ、人が来たわ」
どうやら、老父と老婆のようだ。
『こんちには。どちらへ行かれるのですか?』
「王都へいくのじゃ」
『ほぉ・・・私達はその王都から来ました。ナーオスからわざわざご苦労様ですの』
「いやいや、教団への入信出来るのならこんな苦労大したことないよ」
老父は胸を張って答える。
「教団に・・・?」
ルカが質問する。
「そうさ。教団の信者になればこれから創造される楽園に連れて行って貰うことも出来る・・・大主天マティウス様は罪人であれどんな人間でも守ってくれるそうだよ」
『私も聞いたことありましてね。とてもいい御主導様だと噂されていますのぉ。異能者捕縛適応法も教会までには野蛮な手出しは出来ませんしのぉ』
エミリーが相づちをうつと、老父は気分をよくしたのか、うきうきで話を続ける。
「そうですのぉ・・・とてもいい教会組織ですのぉ・・・ところで其方はナーオスへ何しに?」
『古い顔見知りに用事がありまして。それでは道中気をつけて』
「おお!!そうでしたか・・・ですが、ナーオスには其方も気をつけた方がいいですよ。なんせ・・・」
老父の言葉の歯切れが悪い。
「いや。教会を誉める貴女には神が微笑んでくれるに違いない。それでは気をつけて」
老父と老婆が去った後にエミリーは舌打ちをした。
『ルカ、イリア。これは部が悪い・・・どうやら聖女は異能者捕縛適応に引っかかった可能性が高い。急ぐぞ』
珍しく、老人の喋り方をしないエミリーに二人も急いだ。