テイルズ
□レグヌム
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とりあえず、その場を移動しながら、支度をすませることにした。
『そういえば二人の名前はまだ聞いていなかったの。儂はエミリー・スフニャートじゃ』
エミリーの名前に弱々しい少年はビクッと肩を揺らす。
「エミリーさんって、西の魔女老婆と呼ばれる・・・?新聞に書いてありました・・・」
おどおどと、少年は質問する。
強気な少女に後ろから殴られた。
「そんな話題はいいの!!今は自己紹介が先でしょう!?ルカは本当にオタンコナスね!!」
強気な少女はルカと言う少年に突っ込みをいれてから、ちゃんとエミリーに向き合う。
「私はイリア・アニーミよ。よろしくね」
『これはこれは律儀な子のぉ・・・此方こそよろしくのぉ』
イリアの頭をエミリーが撫でると、どこかイリアは照れくさそうだった。
「あ、あの。僕はルカ・ミルダです。よろしく・・・」
『そんなにおどおどしなくていいの。ほれ。儂はごらんの通り老婆じゃ。なにも取って食おうなんて思っとらん。君のお婆ちゃんと思ってよい』
ルカの頭をイリアと同様に撫でると、ルカとエミリーは視線が合う。
『分からないことがあったらこの老婆に聞くとよい。ハッハッハッハ!!』
「そういえば、エミリーって何歳?若く見えるけど・・・」
イリアの鋭い突っ込みにトリガースイッチが入りそうになる。
『女はの。見た目以上に老婆じゃ。年は聞くもんではないわ!!』
エミリーの半ギレの眼差しに二人は凍り付く。
『まぁ、年は気にせずよろしくのぉ』
「そ、そうね!!とりあえずよろしく!!」
二人はエミリーに実年齢を聞くのはタブーだと悟った。