短編集

□夢だよね?
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『私はヒーロー始めた頃からホークスさんを応援してますよ。若いのに偉いなーって。辞めちゃう子多いから辞めないのも凄いなって』


曖はホークスの写真を見ながら話した。


「そうですね。ははっ」


『ホークスさんってなんだか信念がありますよね。そう言うところがファンになったきっかけです』


曖はドラゴンの尻尾をフリフリと振った。


ホークスを見るとなんだか俯いてて表情は分からなかった。


『お茶冷めちゃいますよ。座って飲みましょう』


「そうですね。頂きます」


ホークスと席について他愛もない世間話をしながら、あっという間にお茶もお菓子も食べ終わってしまった。


「個人的な連絡先を教えてもらっても良いですか?」


『いいですよ。何か辛くなったら連絡してください』


曖は何気なく彼と仲良くなった気がして連絡先を交換した。


翌日出勤すると上司がいいよいいよと有給を付けて返されてしまった。


『有給消化に一週間も休み貰ってしまった』


勤務表を新しくしたのを貰い、曖は帰宅した。


今まで仕事に根を詰めていたため、出来なかった部屋のゴミ片付けや整理整頓をした。


昨日破れたYシャツも買いに行った。


汚くなったスーツもクリーニングに出して、ダイニングルームでスマホを弄っていると、ホークスから連絡が来ていた。


【仕事どうだった?俺は今からヴィランと対峙してくる】


SNSのショートメールで来ていた。


『ほー、なんかあれな感じ』


曖はこれは恋人とするやりとりではないか?と思いつつ返信した。


【一週間有給消化で休み。上司が心配しすぎで頭と身体がなまりそうwww】


曖は適当にメールを何気なく返した。


『まあ自惚れるのもまだ早いしこのくらいが丁度いいかもしれないしね〜』


楽観的に捉え、曖は洗濯物を片付けに向かった。


家事が済んだあとにメールを確認すると、ホークスからの返信が来ていた。


【休みも大事だよ。一週間空いてるなら今度気晴らしに外で遊ばないかい?】


曖はおーと思いながら返信した。


【ホークスさんが休暇取れるならの話ですけど】


曖はその後スマホでヒーローとデートする時の服装の検索を鬼のようにした。


 
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