短編集

□唇を噛む癖
3ページ/14ページ



毎日カタギリ司令官に愚痴を溢してグダグタしていたらガンダム捕獲編隊の実践模擬戦指導の日がやってきた。


『・・・』


とりあえず模擬戦を始めたが、部下のチームプレーが全くなっていないのを見て曖は呆れた。


とりあえず模擬戦が終わったら隊員全員の頬を一人ずつ往復ビンタした。


『えー、私の言いたいことが分かる隊員はいる?挙手して〜』


とりあえず手の上がった隊員に聞く。


『はいそこの金髪』


「チームプレーが出来ていないのが原因です」


『はーい、大正解。後ね、皆模擬戦ルール読んだ?ポート状況見てた?全然皆ルール分かってない。ポートは基地と見立ててます。これじゃあ実践では基地は殲滅です。はい。死にたかったらこのままでどうぞ』


曖の呆れた声に隊員は縮む。


『顔も性格も年齢も分からなくても味方同士で連携がとれなくてどうする?お友だちごっことかお仲間ごっこしてたらこの基地の人死ぬよ?それか艦に乗ってる私に艦のビームで後ろから撃たれたい?撃つよ?』


曖は感情が高ぶって声が大きくなる。


『ポート三つ取られたら基地の防衛を突破され本拠地がやられる。皆殲滅。本番だったら皆死んじゃうね。守れないね。なんのために軍隊入ったんだろうね。私はガンダムを捕獲する模擬戦をやった訳ではないよ?まるで君らの行動理念が理解が出来ないな。モビルスーツの音声はガンダムガンダムガンダム。流行りに乗れば良いと言うわけではない』


曖は一旦深呼吸をした。


『我々の行動任務はひとつ。基地を守れ。以上解散』


曖は隊員が敬礼する姿を見ずにその場をいなくなった。


 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ