短編集
□ちゅーちゅー
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『・・・』
曖はボロボロと泣いてホールのスミにいた。
(あ、そうだ。お風呂入らないと)
曖は溢れる涙を流しながらうつ向いて、もう一度部屋に向かった。
そんなとき肉倉と出会ってしまった。
「どうした曖」
『先輩?どうしてここに』
曖は驚いて目を見開く。
「こちらが何でだと聞きたいが、質問に質問は良くない。私は担当の先生に相談したいことで来た」
『えっと、私は、私は・・・』
曖は自分が部屋の人達に無視されて泣いていたと説明するにも喉が閉まって言葉が出ない。
「とりあえず、座ろうか」
肉倉は曖をソファーに座らせる。
「誰かに愚弄されたのか?曖。メールではそんな返答は無かったが」
『・・・』
詰まる喉に曖は涙を溢す。
「どうした曖。私が先生を呼んでこよう」
『行かないで』
曖は肉倉の袖を掴む。
「曖が愚弄されて泣いている。これは虐めという事ではないのか!?すぐさま報告するべきだ!!」
肉倉が声を荒げる。
『まって、先輩』
曖は肉倉の腕を掴んだが、肉倉は手を振り払って教師の元へと向かった。