短編集

□キス
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『音楽以外で胸がザワザワゾクゾク鳴り止まないのは初めてなんです。責任取ってください』


曖が肉倉を見ると目を大きく開いていた。


「挑むところだ曖」


『今の気持ち、ハーピーの個性使って歌っても良いですか?』


肉倉は頷く。


曖の歌は高らかに体育館倉庫に響き渡る。


その歌は肉倉の心の奥を撫ですくぶるような歌声だった。


「良い旋律だった」


『良かったです』


二人は微笑み合い、またキスをした。


今度は熱く舌を絡め合った。


二人の時は無情にも過ぎていく。


(こんなに幸せで良いのかな)


曖は肉倉の胸のなかで笑った。


END.


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