短編集
□ありえない系
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『はっ!極上の二の腕!!』
カーテンの外側から曖の声が響いた。
(流石ハーピー)
キンキンする両耳を肉倉は抑えた。
『あ〜〜!夢は夢でも極上の腕だった〜〜!ペロペロし放題でもう最高〜〜!』
曖の惚けた声がふさいだ耳越しに聞こえる。
『で、なんでここに?』
曖はカーテンの外に出てきた。
『先生〜〜?なんで私ここに?』
曖は保健室の先生を探しているようだ。
「曖、覚えてないのか?」
『はっ!私はその極上の二の腕に欲望を押さえ付けるのに必死になって知熱出して気絶したんだ!』
思わず肉倉は頭を押さえる。
「曖、二の腕が好きなのか?携帯を見させて貰ったが二の腕ばかりだった」
『んな!変態!』
曖は顔を真っ赤にして肉倉の肩を掴んだ。
『忘れろ〜〜!〜〜!〜〜!』
曖はいきなりハーピーの歌を口ずさんだ。
(不覚・・・)
忘却の音色に肉倉は意識を遠のかせながら気を失った。