短編集
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だが、飽き性なアイは、二日も町で過ごすなんて持たなかった。
ギルドに付き合ってもらい、モンスター討伐を始めた。
『ええい!』
アイはリカルドに貰ったおこずかいで一番安い剣と銃を買った。
「なかなかお嬢ちゃん筋がいいね」
『ありがとうございます』
ギルドのおじさんに誉められ、アイは照れる。
リカルドが帰ってこない一週間でアイの財産は三倍に膨れ上がった。
町のギルドで少しばかり噂にもなった。
(この世界全く知らなかったけど楽しいわ〜!)
アイは晩酌しながら思った。
『でもまるで普段の私リカルドに拾われた時より割かし装備が豪華になったけど大丈夫だよね〜』
アイは晩酌を軽くとって寝た。
次の日もギルドに行って稼ぎ家に帰ると、リカルドは帰っていた。
『あ〜おかえりおかえり』
「・・・」
『どったの?そんな顔して』
リカルドは困った顔をしていた。
「アイ、稼ぐなとは言わない。だが、この報酬はなんだ」
リカルドの家の倉にはたくさん報酬で貰ったワインが眠る。
『いや〜ギルドのおじさんに気に入られて何だかんだ貰ってるうちに・・・』
アイがえへへと笑うと、リカルドは机をバンッと叩いた。
「どれもこれも一級品だ。これでは仕事に身が入らん!!」
リカルドはアイの集めたワインが一級品だったことに悔しかったのが目に見えて分かった。