短編集

□両片想い
4ページ/11ページ


リカルドはひとつの国の戦争を終わらせたアイナを殺す仕事を承った。

(初めてあったときは、殺されるかと思った)

それはリカルドが転生者の記憶が目覚めて間もなくの事柄だった。

そして、彼女は何故か次の日、自分の国を突如として滅ぼした。

戦争が無くなって困った相手国は、一国を滅ぼしたアイナを殺す事で事態の収拾と国民の納得を得ようとしたのだった。

リカルドは報酬がかなり弾んだ依頼に一目散に申し込んだ。

そしてまたアイナに会いに行くと、彼女はリカルドを殺す勢いが増していた。

(アイナは最高の笑顔を浮かべていたか・・・)

そして、アイナがリカルドのライフルを弾き飛ばし、止めを差そうとした瞬間、彼女はかなりのライフルによる銃弾をシャワーのように浴びた。

強化兵のアイナを殺すのは容易ではない。

だから依頼主は始めからリカルドなど、期待などしてなかった。

囮として使ったのだ。

アイナの全身から血が溢れ出ていく様にリカルドは思わず、転生者の力を使ってしまった。

アイナの狂犬強化兵から想像できない少女のようなあどけない何故と訴えかける表情は印象的だった。

(儚い彼女の表情は俺を束縛するには十分だった)

復活したアイナは兵士を皆殺しにして、国をあげた極秘な作戦は失敗に終わった。

 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ