短編集
□両片想い
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倉庫は血の海に染まっていた。
死体はどうしようもなく生きているうちにバラバラにされていた。
アイナはよく小さい頃からサイコパスと呼ばれていた。
『緋色のネクロマンサーかぁ』
それがアイナについた異名だった。
アイナは小さい頃から人体に投薬をされ、戦争のために強化され育ってきた。
孤児や戦士、兵隊を殺すのは日常茶飯事。
それでもアイナは良かった。
死にそうなことが死ぬほどあったけど、アイナにとっては普通だった。
親がどうとか学者がどうとかもどうでも良かった。
ただ、血を血で洗う世界が好きだった。
(でも彼が世界を変えた)
リカルド・ソルダートと敵として合間見えるのも、時間の問題だった。
初めてあったときは彼以外の雇われ兵士はバラバラにした。
でも彼はまるでアイナの動きをわかっているかのごとく、簡単にアイナの異形じみた戦闘術を避けていったのだ。
リカルドに手首を捕まれたとき、アイナは恋に落ちてしまった。
(なんて格好いい・・・はぁ・・・あの顔がまた見たい・・・)
アイナはリカルドに一目惚れしたその後、自分を束縛してきた組織の人間もすべて調べ尽くして皆殺した。
そして、またリカルドと出会う。
(もう私を本気で殺しにきた彼は死ぬほど格好くて、もうもうもう!)
アイナは倉庫を掃除しながら、跳び跳ねていた。