ドラゴノーツ
□それでも時は止まらない
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疲れ果てたカズキを部屋に送り届けから、メロもライナとハウリングスターの待つ部屋に帰った。
「お帰りメロ」
『ただいまライナ』
ライナがメロにハグをするので、メロもそれに答える。
「曇った表情が晴れたなメロ」
後ろから、ハウリングスターが話しかけてくる。
『うん。もう大丈夫』
「なら、よかったぜ」
ハウリングスターが拳を差し出したので、メロも拳をかるく当てる。
『明日は頑張ろうね二人とも』
「おう。必ずアルブムを捕獲するぜ」
「早く保護のためにも、アルブムを捕獲しよう」
ライナの表情が少し曇ったような気がした。
『?』
「明日は早い。今日はちゃんと休息を取るように」
ライナはそのまま、部屋に消えてしまった。
結局、ライナの曇った表情の真相が明けないまま、翌日を迎え、シャトルに乗り込んだ。
『・・・』
メロは昨日ライナの部屋のドアの前に、眠気を抑えて、張り込んでいたが、結局なにも呟きは聞こえず、寝てしまった。
寝不足でウトウトする。
「メロ。夜更かししたのかい?」
ライナが少し呆れて、メロを見る。
『違う。眠くない・・・』
メロはいかにも眠そうだが、必死に寝ないよう、こらえている。
「寝ていいよ。僕が起こすから」
『全然・・・眠く・・・ない・・・』
がくりと、ライナの肩に頭を預けた。
「全く・・・最近メロはライナに似てきたよな」
「どういう意味だハウリングスター」
後ろの座席から、ハウリングスターが身を乗り出して、二人を見る。
「強情張りな所が」
「僕はそんなに強情張りじゃないよハウリングスター」
「そうか?」
ハウリングスターの発言に、ライナは内心少し焦った。
(メロはもう一人の僕・・・?)
レゾナンス時に現れるコミュニケーターの特徴にライナはメロはもう一人のライナなのかもしれないと思った。
『らいな・・・』
(彼女は僕と正反対な所もある。例えば、僕よりお人好しだ)
ライナはメロの持つ明るさと自分の持つ暗さに自嘲の笑みを浮かべた。
「僕の愛しいメロ・・・」
『らいな・・・すき・・・』
ライナは愛しいドラゴンを撫でて、きっとメロは自分の理想な人をコミュニケーター時に表しているのだと、自結論にいたった。