ドラゴノーツ
□それでも時は止まらない
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メロはカズキと酒場の路地裏にきていた。
そこで、メロはカズキを抱きしめる。
「なんだよ!」
『無理しないで。泣いて』
メロはカズキの頭を撫でる。
すると、カズキは徐々に震え出した。
「なん・・・だよ・・・!なんで・・・」
『辛いって顔に出てるよ。ギオとジンが月に行った時から』
「っっ・・・!!!!ぅう・・・!!!!」
カズキはぶるぶると震え、涙を流し始めた。
『辛いのは、私も分かるから』
「なんだよなんだよ!ライナ隊長のドラゴンなのにぃ・・・!!!!」
『私もライナと一緒にいたくてもいれないなら、きっとあなたみたいになるから』
「ぅう・・・うぁ・・・うぁああぁぁあぁあ!!!!」
カズキはやっと声をあげて、メロの腕の中で、泣いた。
メロもジンとトア、カズキとギオの四人の気持ちも複雑に絡み合った現状に、少しだけ泣いた。
わんわん泣き喚くカズキは酔っ払いにチラチラと路地裏を少し見られるだけで、あまり路地裏の中をのぞこうとする人はいなかった。
しばらくすると、カズキの泣き声がやんだ。
『カズキ・・・?』
「ぅひ・・・うぁ・・・ひっく」
カズキはメロの顔をぐちゃぐちゃの顔で見上げる。
メロはハンカチでカズキの顔を拭いた。
『明日の任務、きちんとやろうね』
「フガフガ」
『綺麗になった』
カズキの顔からハンカチを退けると、カズキに唇へのキスをされた。
『・・・これじゃあ歯があたる。キスはこう』
メロはカズキの唇にキスをし直した。