ドラゴノーツ

□それでも時は止まらない
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メロはジンの乗ったトラックから、ドラゴン用の操縦コクピットが出るのを、見た。


(ギオ・・・あなたも使命に巻き込まれてしまったのね・・・)


「ギオは僕の・・・僕の・・・」


海沿いの近くに、カズキがいた。


『カズキ、どうしたの?』


メロはカズキの元へ行った。


「・・・なんでもない」


『辛そうな顔をしてる。良かったら相談に・・・』


「五月蝿い。俺にもう関わらないでくれ」


カズキは憎しみで歪んだ顔を背けるように、メロから逃げるように、歩いていってしまった。


『・・・カズキ』


メロはカズキの背中を見つめることしか出来なかった。


ISDAに戻ったメロはもやもやした気持ちでいっぱいだった。


「メロ。今戻ったのか」


ミーティングルームにメロが戻ると、ライナが初めに声を掛けてきた。


『ごめんなさい。ライナ。遅くなって』


「まあ、そんなに気にすることはない。メロがきたところで今回下った作戦を伝えよう」


メロはいつも通り、ハウリングスターの隣に座る。


「アルブム捕獲のため、月に向かう」


『ライナギオは?ギオはどうするの?』


メロが心配そうに、ライナに問いかける。


「今回の作戦事項にはギオの回収は含まれていない」


「どうしてっ!!!!」


ライナの答えにいち早く反応したのは、やはりカズキだった。


『・・・』


「大丈夫だメロ。まだ処分とは決まっていない」


『うん』


「以上だ。これで解散としよう」


ライナはあっけらかんと告げ、ハウリングスターと行ってしまった。


『カズキ』


「なんだよ・・・」


『・・・来て』


メロは勢いよく、カズキの腕を引っ張り上げた。


「わ、わっ!ちょちょちょちょっと!?」


勢いの反動で、カズキがメロの胸にダイブした。


「わぶっ!?」


『行こう』


メロはカズキをつれて、ずかずかと歩いていった。


 
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