ドラゴノーツ
□それでも時は止まらない
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ライナにメロは涙の跡を濡れタオルで拭いてもらっているときに、警報が鳴った。
「何事だ」
「ライナ!俺が今からメロの施錠を外す!ライナ頼む!」
ハウリングスターが病室に駆け込んでくる。
「メロの施錠が外れ次第合流だ。任せたよハウリングスター」
「了解したぜ相棒」
ライナは病室を駆け足で出て行った。
「すまねぇメロ。ごめんな」
『いいの。ハウル』
メロは首を横に振った。
『あのね、スピリタスが最後に「ありがとう」って言っていたよ』
ハウリングスターは一瞬手が止まり、施錠が全て取れた。
「メロ。ありがとな。ライナにも励まされたんだけど、声が聞こえるメロの方が説得力があるな。ライナにも感謝はしてる」
『行こう。ハウル』
「嗚呼、もちろんだぜメロ」
二人は病室を飛び出した。
『・・・』
「どうした?メロ?」
ハウリングスターが、走ったままメロの方向へ振り向く。
『なんでもないわ。先に行ってハウル』
「分かった。後で落ち合おう」
ハウリングスターは手を降って、走り去った。
メロもジンのする声の方向に向かった。
その場所にアキラとマキナがいた。
「分からないんだ!だから会って確かめたいんだ!」
メロはジンがそう叫んでいたのが聞こえた。
「・・・お前なら変えられるかもしれない。行けよ」
アキラはジンにそう言った。
『私からもお願いがあるの』
「メロ!?なんでここに・・・」
アキラがメロの急な登場に、驚く。
『彼女を役目から引き離してあげて』
「なんだよお前訳わかんねえよ」
ジンが頭を抑える。
メロはジンに近づく。
『今は分からなくていいの』
メロはジンの右手をとり、口づけをした。
「っ!?」
ジンは急な出来事に、手を引っ込める。
『おまじない。よく効くんだよ』
メロはスピリタスとアマギを思い出して、一筋の涙を流した。
その光景に、ジンはみとれる。
『私もライナと一緒にいたい。だからあなたの気持ちはよく分かるの。彼女を離さないで。彼女とのレゾナンスを』
「・・・アンタ」
『行きなさい!!!!』
ジンがメロに触れようとしたとき、メロは叫んだ。
ジンはびくっとして、トラックに乗り込んだ。
(・・・ライナごめんなさい。逃がしちゃった)
メロはジンの乗ったトラックを見つめて、そう思った。