短編集
□ありえない系
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「まぢありえない系なんですけど」
ケミィはちょっと小声で呟いた。
「恋に詳しいってまぢそれガチ系?てかまぢ精児ありえない系じゃない?」
「それを承知で聞いているんだケミィ」
二人は放課後の下校道の細い路地裏にいた。
「精児のこと好きなガチでやばい系の子なら知ってる系だけど、その子この上ないまぢやばめのやばたにけん系だよ?」
「なんだそのやばたにえんとか訳のわからない単語は」
肉倉はケミィの発言に頭を抱えた。
「その子せんせーにも手を出すとか話題でもうまぢやばたにえん〜って感じでまぢイケイケJK」
「俺のことは?」
肉倉はケミィに呆れつつ、質問を続けた。
「好きらしいよ。かなりやばめのやばたにえん〜って感じでまぢ半端ないって」
「それは本当なのか」
「知らないってば〜〜!その子琵管曖っていうから自分で調べてまぢJKは忙しいの!」
そう言うとケミィは猛ダッシュでいなくなった。
取り残された肉倉はぽかんとした。
「琵管曖?そういえば士傑高校の推薦入学で」
肉倉は夜嵐イナサの腕にひっついていた彼女を思い出した。