短編集
□バナナ地獄2
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「おい、何故バナナ?」
『ん?リカルド?どうしたんだい?』
彼女の前には大量のバナナ。
リカルドは眉間に皺を寄せている。
「それをそのまま全部食べるというのか・・・?」
『最近、記憶力の低下が著しいからね。老婆は本当に大変だよ』
もくもくとバナナを食べ始めた。
だがあまりにも量が多い。
泊まる部屋を埋め尽くしている。
「何故バナナ地獄なんだ・・・」
リカルドは耐えきれず、言葉を漏らす。
『依頼主にお駄賃求めたら大量のバナナしか渡されなかった』
リカルドは頭を抱えた。
「現金にならなかったのか」
『それがさぁ〜!依頼主は商人、依頼主の実家が農家、それでバナナが馬鹿みたいにとれて安くなるから処理する依頼だったんだ。そのお駄賃』
「阿呆か貴様」
リカルドもバナナを手に取る。
『なんじゃ。お主も腹が減ったか』
「そんなところだ」
二人でバナナを馬鹿みたいに食べた。
しかし、あまりの量に手が止まる。
『苦しい』
「これは・・・無理だな」
そんなとき、がちゃりと扉は開いた。