短編集
□人になった猫
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グラハムと付き合ってから3年の月日が流れた。
ゆったりとした平和は、突然現れたテロ組織のソレスタルビーイングによって破られた。
だが、彼らは最初に現れたソレスタルビーイングは、一般市民を巻き込む事はなかった。
グラハムはガンダムに魅入られ、対ガンダムのために、編成されたフラッグファイターに所属していた。
『・・・はぁ』
曖はグラハムが仕事が終わるのを待っていたが、グラハムからの連絡で、今は他の国へいるらしい。
『最近グラハムとあってないのに・・・はぁ・・・』
曖は溜め息を尽きながら、上官のエドワード中佐の元へ向かった。
「どうしたかね?曖少佐」
『有給休暇を取りに来ました』
曖は書類を出す。
「どうしてこんなに大変な時に・・・」
『・・・私もうすぐ軍人を止めるかもしれません』
曖は目を反らしながら、そう告げた。
「どうして・・・」
『もう空を飛ぶ気力がないんです・・・私は今回の有給休暇で祖国の日本に帰ります。それから止めるか考えてみます』
曖はエドワード少佐にお辞儀をした。
「君の戦力はユニオンには必要なんだ。ゆっくり休んで考え直してくれまたえ」
エドワード少佐は渋い顔をして返答した。
(彼がいない空なんて飛べない)
曖はぽっかり開いた虚無感を胸に空港へと向かった。