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□君の愛読書
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「こんにちはー」
オレは2日ぶりにアジトを訪れた
この2日間は自宅に籠っていろいろやってないことをしていた
部屋の片付けだとか音楽活動とか
「あ、シンタロー君久しぶり〜元気にしてた?」
アジトにはいり最初に挨拶してきたのは
黒いフードを被った金髪の猫目のカノだった
オレはとりあえずは元気だ、と返事をしてソファーに座って雑誌を読んでいるカノの隣に座った
「いやー、ホント久しぶり過ぎて僕寂しかったよぉ、シンタロー君また痩せた?ちゃんと食べてる?」
「食べてるって、それより何読んでるんだよ」
「ん?あぁ、キドの雑誌借りてるんだ、今星占いのとこ見てた」
「ふーん」
オレは素っ気ない返事をして愛着の沸いた愛用のiPhoneを弄る
するとカノはオレに体を密着させて
「ねぇねぇ、せっかくだし占い一緒に見ようよ!」
「べ、別に興味ないし」
久々のカノの体温にオレは心臓が飛び出しそうな勢いだった
近い、近すぎる
「…シンタロー君、緊張してるの?w」
「ばっ!!んなわけないから!!」
「またまた〜、ほらほら、えっと、シンタロー君はー『今週は好きな人に急接近できそう!自分から攻めてみると吉』だってー」
ケラケラと笑って雑誌をオレに見せながら読み上げるあ、ラッキーカラー黒だ
「へ、へー」
オレはたいして興味なさげな返事を無意識にする
それを気にもせずカノは自分のを読み上げる
「僕は『今週は誰かの恨みを買いそう…周りには注意してね』…え」
冷や汗が垂れている
大方、キドとかに殴られるとかそんなんだろう
カタカタ震えてるカノが何か面白くてオレは
「良かったなカノ」
なんて、笑顔で言った
「どこが!?」
占いもたまには面白いな
ウンウンと頷いてるとカノが手を握ってきた
「?どうした」
「ほら、占いも必ずハズレがあるわけじゃないからさ、書いてあるとうりに実行してみたらどうかなーって、だからさ、シンタロー君からキスしてよ」
「はぁ!?ばっ、何でそうなるんだよ!?」
「えー、急接近、したくない?僕なら真っ先にしたいからやっちゃうけど」
雑誌をテーブルにおいてオレに迫ってくる
というか押し倒された
「ねぇ、シンタロー君?」
「い、嫌だ…//」
オレは恥ずかしさのあまり顔を隠した
こんな真っ赤な顔絶対笑われる
だけどカノはオレの手を簡単にはがしソファーに押し付けた
「なっ!離せ!誰か来たらどうすんだよ!!//」
「んー、キドとキサラギちゃんは買い物に行ってるしセトとマリーは任務だしコノハとヒビヤくんは何か外に遊びに行っちゃったし、しばらく帰って来ないって、だから心置きなくキス、してよ」
「どーしてもしてほしいのかよ」
「うん」
「いまさら?」
「え?どういうこと?」
「急接近、とか書いてあるけどもうすでに恋人同士だし…」
「うー、だけどシンタロー君からしてくれたことないじゃん、いっつも僕だしさぁ」
「う…、わ、分かった分かったから…やるよ、やればいいんだろ!!」
「わー、逆ギレ☆」
「うっせ、…目閉じててくれないか…その…やりずらい」
「オッケー」
目を閉じてくれたはいいがやっぱ恥ずかしくてやりずらい
「………ん」
オレは少し悩みながらも小さくキスをした
だがこの時、カノがうっすら目を開けていたことにオレは気づいてなかった
何故なら恥ずかしすぎてオレの方が固く目を閉じてたから
「(可愛い〜、だけど、これだけで終わらせないからね)」
「…カノ?って!!んっ!?ふっ…ぁ…や…んむ…はっ…んん――!//」
軽くしたあと、カノはオレの後頭部に手をおき
なんとディープキスをしたいや、まぁ、久しぶりだから少し(…かなり)、感じはしたんだけど、息が続かなくてオレはカノの胸板を叩いた
「もー、シンタロー君は肺活量無さすぎだよー」
離れて頬を膨らましているが全然可愛くない、むしろ殴りたい
「いきなり何すんだよ!?このバカノ!!//」
「え、いやー、あまりにもシンタロー君からのキスが可愛すぎて…つい、てへ♪」
舌を出してウィンクをした時点でカノの死の宣告がいま成された
「殴っていいか」
「やめ「俺が代わりに殴ろう」
綺麗なハスキーボイスが玄関から聞こえた
振り向くとそこにはメカクシ団団長の
「え?ってキド!それにモモ!」
キドと妹のモモが何だか怖い顔でカノを睨み付けていた、なんか後ろから『ゴゴゴ』なんて効果音とか流れてそう
「カノさん、私の可愛い肉親お兄ちゃんに何その汚い口をつけてるんですか」
汚い者をみる目でモモは言い、さらに後ろから別のやつが現れた
…今日は大集合だな
「ちなみに俺達もいたんっすよね…どうします?マリー」
セトが横にいたマリーに笑顔で質問する
その笑顔も十分殺気があるようにみえる
主にカノに対してだが
「カノを縛り上げてフルボッコ…かな」
可憐なマリーからそんな言葉がでるなんて
案外、鬼畜だったりして
「縄ならここにあるよセト兄」
セトの後ろからひょこっとヒビヤが出てきた
片手に縄、どっから持ってきたんだ
「あ、ありがとうっす、ヒビヤくん」
「僕の愛するシンタローに汚い手で触れたこと後悔させてやる…」
おうふ、こちらも言葉使いが荒い荒い
「…シンタロー…触った…許さない…」
ネギマの串を片手で粉砕した!?
こえぇ…
みんなの視線が全てカノに集まっている
マリーなんか能力発動しそうだ
ん?てか、何でみんなこんなにカノに対して殺気放ってんだ?
なんかしたのかな、きっと、カノだし
「えっ、ちょ、まって!!だって僕達恋人同士だから!これくらいいいでしょ!?!」
カノが慌てて鎮めようとしてる
これは何か積んだ気がするとりあえず合掌しとこう
カノ終了の知らせだ
え?止めないのかって?
いやいや、止めたいけど何で怒ってんのか知らないし、むしろ、止めてオレに矛先向けられたら…五体満足に家に帰れない、だからここは合掌しておこう
「「「「「「問答無用」」」」」」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「…占いすげぇ」
「猫目さん御愁傷様ですw」
殴っている音とエネの爆笑がアジト内に響きわたる
オレはそれを気にせずさっきの雑誌を開き、また星占いのページを開いた
あれから、この雑誌の星占いページはオレの愛読ページになった
おわれ
→後書き