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□やっちまった企画!!ヒバツナキセキ!!!
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「バスケ?」
「はい、テツくんと黄瀬くんはバスケ部に入ってるそうなんです」
金曜日の夕食時に、綱吉が切り出した。
−−明日、練習試合を見に行きたいんですけど。
「雲雀さんは……行きませんよね」
「ぼくは、夕方まで用事があるからね、行ってくるといいよ」
まだ付き合いは短いが、隣人二人が気持ちのいい人間だとわかっている。
綱吉がこれほど気に入っているのなら、問題はないだろう。
だが。
その日の夜、恭弥は隣人だけではすまないことに気づかされたのである。
用事が少し長引いて、マンションに帰り着いたのは6時過ぎだった。
エレベーターを降り、家に近づいても、明かりが見えない。
まだ帰っていないのかと隣を見れば、室内は明るかった。
ならば、と恭弥は隣のチャイムを鳴らすことにした。
綱吉とテツヤが行き来するので、このあたりは慣れっこになっている。
「ハイハーイ!」
相変わらずの明るさで、黄瀬がドアを開けた。
「あ、雲雀…さん」
っち、を飲み込むような顔で、黄瀬が笑う。
「綱吉が来てないか」
そう尋ねる合間にも、奥の部屋からは賑やかな声が聞こえる。
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「お客かい?」
「バスケ部の連中っス。沢田っちもいるんで、よかったら上がってください」
聞こえた笑い声の中に、確かに綱吉のものも混じっていた。
「邪魔をする気はないんだけど」
恭弥は、大勢で騒ぐことがあまり好きではない。まして、体育会系は大声にもなりやすいので、苦手なのだ。
それでも、綱吉が世話になったらしいので、挨拶だけはしようと、黄瀬に招かれるまま靴を脱いだ。