MAIN小説
□やっちまった企画!!ヒバツナキセキ!!!
6ページ/41ページ
「クロコクンって、ちょっと呼びにくかったんですよ」
「ボクもそれなら綱吉くんと呼ぼうと思ったんですが」
「テツヤくんって呼ばれるのは、ムズムズするそうなので」
「周りからツナ、と呼ばれていると聞いて」
「テツくん」
「ツナくん」
なぜかピッタリ合った呼吸で、二人は互いを指差した。
「かわいいっス!!」
黄瀬が悶えるように叫んだ。
その叫びに、恭弥の片眉が跳ね上がった。
「うるさいよ、モデル」
ひどいっス、とモゴモゴ反論する黄瀬を放置して、恭弥は綱吉のほうへ近づいた。
![](http://id34.fm-p.jp/data/404/usagimaru386/pub/20.jpg)
「え、と、雲雀さん?」
テツヤと一緒に自分を見上げる綱吉の肩を、恭弥はつかんだ。
「ぼくのことも、名前で呼んでみなよ」
「へ?」
「あれが黄瀬くん、これがテツくん、ぼくは恭弥だよ」
順繰りに指を指して、恭弥は綱吉を見下ろす。
綱吉のほうは、突然の要求にオロオロするだけだ。
「ツナくん、雲雀さんはヤキモチを焼いているのではないですか」
もう一方の肩に手をかけて、テツヤは言った。
淡々とした言い方には、馬鹿にしたような感じはない。
そのせいで、恭弥は頭が冷えたようだった。
「まあ、いいよ」
咳ばらいして、黄瀬とテツヤを見る。
「とにかく、隣り合わせで暮らすことになったんだ。あまり問題を起こさずにいこう」
慣れている綱吉も、最初から扱いのひどい黄瀬も、相変わらず無表情なテツヤも、思うところはひとつだった。
問題を起こすのは、絶対にこの人だ。
本人だけが、保護者のような表情でいた。