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□やっちまった企画!!ヒバツナキセキ!!!
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「どーもっスー!」
ドアを開けるなりかけられた声に、恭弥は固まった。
自分より背の高い相手を、険しい顔で見る。
「……ホストお断り」
![](http://id34.fm-p.jp/data/404/usagimaru386/pub/17.jpg)
そう言って閉めようとすると、慌てたように相手はドアを押さえる。
「ち、ちょっと待って!」
「なに?」
恭弥の冷ややかな目に一瞬怯んだものの、愛想笑いで言葉を継ごうとする相手を、じっと見る。
「えーと、おれのこと、知らないっスか?」
「ホストに知り合いはいないよ」
「だから、ホストじゃないっスよ。モデルっス、モデル」
恭弥は、改めて相手を見た。
確かに背が高く、手足のバランスもいいようだ。
好みではないが、顔も整っている。だが。
「なぜ黄色?」
そう、自称モデルの髪は黄色かった。
「おれ、キセリョータって名前なんで。黄色に浅瀬の瀬、涼しく太いで、黄瀬涼太」
空中に指で書きながら丁寧に説明すると、黄瀬と名乗るモデルは何故か胸を張った。
「知らない」
単純にしてあっさりと恭弥に言われ、モデルは少なからずショックを受けたようた。
「やっば、天狗になるには早いっスね」
はあああ、と大きなため息をつくと、ばっと顔を上げる。
その表情は、明るいものに戻っていた。
それを見て、恭弥は少し彼に好印象を持った。
「それで、いったい何の用で来たのかな?」
恭弥が話を戻そうとしたとき、不意に黄瀬の後ろから声がした。
「なにをしているんですか、黄瀬くん。ちゃんとご挨拶すませたんですか?」
声がしたことより、その相手の存在に気づけなかったことに、恭弥は驚いていた。
さらに追い撃ちをかけるように、エレベーター側から声が飛んでくる。
「あれ、黒子くん?」
エコバッグを片手にした綱吉の声は、びっくりしている。
「沢田くんこそ、どうしてここに?」
気配のなかった声の主もまた、わずかな驚きをにじませて綱吉を呼んだ。