時を駆ける思い

□序章~ハジマリノ唄
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「銀さん、起きてください。朝ですよ」




メガネを掛けた少年がふすま越しに声をかけた。何回か読んでみたが、中から何も返事がなかったのでドアを開いてみる。すると、中には不自然に膨らんだ布団があった。少年はあぁ、またかと思うとその布団を引っペ替えした。




「るーせぇな、ぱぁつぁん。俺なら起きてるよ」




朝日を浴びて綺羅綺羅と輝く銀髪はところどころ跳ねていて、今起きた事がわかる。

新八は少しの間それに見とれてしまったが、銀時が源外によばれてたのを思い出し銀時に告げた。




「……何言ってんですか。そういえば、源外さんが例の物取りに来いだそうですよ。」

「例の物? あぁ、あれか」




銀時はあれ完成したのかと嬉しそうに笑うと、布団から出て着替え始めた。


この前、銀時たちは猫の搜索の依頼のため町をぐるぐると回っていた。その時、急に飛び出してきた黒猫ごま(4才)を避けるため乗っていたスクーターのハンドルを右に思いっきりきった。
何とか自分と猫は無事だったが、その犠牲にボロボロのスクーターがついてきた。銀時は泣きながら自分の愛車を預けにからくり堂まで足を運んだのだった。



銀時が着替え終わり、居間に向かうとチャイナ服をきた美少女(自称)が迎えてくれた。



「銀ちゃん、やっと起きたアルカ」

「おめぇも対してかわんねーだろ」


神楽の言葉を軽くあしらうと、目の前にある袋をがさがさとあさり始めた。中には豆パン豆パン、豆パンなどが入っていた。
銀時はそれを持つと玄関の方に向かった。



「すぐ戻ってくっから、豆パン食って大人しく待っとけよ」




残された二人は袋から豆パンを取り出すと、おもむろに食べ始めた。
硬くてお世辞にも美味しいと言えないそれに不味いと呟いた。
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